居酒屋・飲食店のロゴで一番多い失敗は「PC 画面ではかっこいいのに、看板にすると潰れて読めない」。原因は線太さ・文字サイズ・コントラストの 3 つに集約され、いずれも視認距離(看板から客までの距離)を基準に逆算すれば解決します。
この記事では、視認距離 5m / 10m / 20m での最小線太さ、夜間屋外でのコントラスト基準、看板素材(金属・木・ネオン・アクリル)別の色再現の落とし穴を、Before / After 図解付きで整理します。
視認距離別の最小線太さ
看板の文字は、視認距離 1m あたり 文字高 3〜4cm、線太さは文字高の 1/10〜1/15 が目安です。これを下回ると、晴天日中でも 2 秒以内に読めません。
| 視認距離 | 最小線太さ | 想定接点 |
|---|---|---|
| 5m | 1.2mm 以上 | 店頭近く、A 看板・スタンド看板 |
| 10m | 2.0mm 以上 | 通り沿いの袖看板・暖簾 |
| 20m | 3.5mm 以上 | 建物上部・ロードサインの主看板 |
Before / After — 細線が潰れる典型例
左が「PC で見るとかっこいい細い欧文セリフ」、右が「20m から読める太さに直したもの」。文字情報は同じでも、線太さを 1.5 倍にするだけで看板での可読性が一気に上がります。
Before — 20m から読めない
After — 太+金で夜間も読める
夜間屋外のコントラスト基準
WCAG(Web のアクセシビリティ基準)では文字と背景のコントラスト比 4.5:1 以上が推奨ですが、夜間屋外の看板はこれの 1.5〜2 倍、つまり 7:1 以上を目安にします。理由は雨・霧・街灯のグレアでコントラストが実質的に下がるためです。
黒地に金(#0a0a0a / #c89c3a)、紺地に白(#1e3a5f / #ffffff)、墨地に朱(#1a1a1a / #b8332a)が定番なのは、いずれもコントラスト比 7:1 を超え、かつ「飲食らしい色」だからです。
看板素材別の色再現と落とし穴
金属(ステンレス・アルミ板)
切り文字・カルプ文字。線が細いと加工で破断するため、最小線幅 3mm 以上。色は塗装か焼付。RGB ではなく CMYK か DIC で指定。
木(杉・檜・集成材)
彫り込み・焼印・看板塗装。木目が透けるので、薄い色(薄朱・浅葱)は再現性が落ちる。墨・濃藍・濃緑が無難。
ネオン・LED チャンネル文字
夜間視認性が最強。ただし細い欧文セリフは光が滲んで読めなくなるため、線の太い sans か太めの楷書に置き換える。
アクリル・面発光サイン
色再現は最も忠実。ただし日中は反射で見えにくい場面があるので、背景と十分なコントラスト(後述)を確保。
サンプル — 看板適性が高い 2 案
以下は「線太い + 高コントラスト」で 20m 視認に耐えるロゴの例です。蒼天は墨と蒼の縦組み、Lanternは黒地に温色で、いずれも夜間屋外に強い構成です。
蒼天(割烹)
Lantern(居酒屋)
まとめ
看板で潰れない飲食ロゴは、視認距離から線太さを逆算し、夜間屋外を想定したコントラスト 7:1 以上を確保し、看板素材の特性に合わせて細部を太らせる — この 3 点で 9 割解決します。PC 画面で「いい感じ」のまま発注すると、ほぼ確実に屋外で読めません。
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