パッケージ印刷で「Web で見た通りに刷れない」のは、ロゴの形状ではなく紙質と印刷方式に原因があります。クラフト紙とマットコートで同じデータを刷っても、線の太さ・色の濃さ・字の輪郭はまったく違って出てきます。
この記事では、D2C・コスメ・食品パッケージで使われる主要 4 つの印刷方式について、最小線太さの目安と色の設計指針を整理します。
紙質・印刷方式別の最小ライン太さ
印刷方式ごとの調整ポイント
クラフト紙(茶色未晒し)
線の最小太さ 0.3mm(約 0.85pt)
繊維が荒く、インクが滲みます。細い明朝のヘアラインは消えやすく、0.3mm 以下は再現できないと考えてください。色は紙の茶が透けるので CMYK で出した想定の 70% くらいの彩度しか出ません。白押し(白インク)で下地を 1 度刷ってから本色を載せると、Web に近い色が出せます。
マットコート紙(白・パッケージ表面)
線の最小太さ 0.1mm(約 0.28pt)
化粧箱やシャンプーボトルのラベルでよく使われる紙質。インクの乗りが安定し、細い線も再現可能。ただし PP マット加工をかけると黒の濃度が一段下がるので、黒の K100 ではなく K100+C30 のリッチブラックにすると締まります。
箔押し(金・銀・カラー)
線の最小太さ 0.2mm、文字は 6pt 以上
箔は版で「型抜き」する加工なので、細い線や小さい文字は箔が剥がれる・潰れる原因になります。漢字のような画数の多い字は箔押しに向かず、潰れる前提でカナ+英字の組み合わせに置き換えるか、文字部分は通常印刷にしてシンボルだけ箔押し、という設計が安全です。
シルクスクリーン(瓶・布・木材)
線の最小太さ 0.5mm、最小文字 8pt
メッシュを通してインクを押し出すため、紙印刷より太め設計が必要。瓶・トートバッグ・木製パッケージで多用されます。多色刷りは 1 色ごとに版代がかかるので、ロゴを 1〜2 色で完結する設計にしておくとコスト最適。
CMYK と特色(DIC / PANTONE)の使い分け
ブランドカラーが鮮やかな単色(ピンク・水色・蛍光色など)の場合、CMYK の 4 色掛け合わせではどうしても再現できません。そういうときは特色インク(DIC または PANTONE)を 1 色だけ追加で刷る運用にします。
逆に、写真のような多色を使うパッケージなら CMYK 4 色のみで OK。ブランドカラーが「彩度の高い 1 色」なのか「画像の中の 1 色」なのかで、入稿時の色管理がまったく変わります。
| 用途 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 単色の鮮やかなブランドカラー | DIC / PANTONE 特色 | CMYK では彩度が出ない |
| 写真・グラデを含むパッケージ | CMYK 4 色 | 特色は写真と相性悪 |
| 黒文字・黒シンボル | リッチブラック(C30 M20 Y20 K100) | K100 単色だと PP 加工で薄く見える |
| 金・銀・蛍光のアクセント | 箔押し or 特色 | CMYK では絶対に出せない |
印刷に強いロゴサンプル
LogoLab AI のサンプルから、線が太めで紙質を問わず刷りやすい構成を 4 つ。細い装飾を持たないのが共通点で、クラフト紙の滲みにも耐えます。
Bluebird
Baika
Leafbean
Moonshade
まとめ
パッケージ印刷でロゴを潰さないコツは、紙質と印刷方式を決めてから最小線太さを設計することに尽きます。クラフト紙なら 0.3mm、箔押しなら 0.2mm + 文字 6pt 以上、シルクなら 0.5mm。先に紙を決めるか、紙が未定なら最厳しい値(シルク基準)で組んでおくと事故が減ります。EC・D2C ロゴガイドでは入稿仕様の細かい話もまとめています。
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